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人事必見!今、”採用広報”がアツイ?!注目される背景と具体的な手法、メリットを解説!

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皆さんの会社は、採用広報に力を入れていますか?
採用広報とは「企業がターゲットとする人材に、自社を就職先として検討してもらうためにおこなう広報活動」のこと。

私は、人事メディアでライターをしながら、採用関連の仕事をしてるのですが、
就活生や求職者に対して自社の魅力が十分に伝わっていないのではないか…という疑問を常に持っています。
本来ならば、柔軟な働き方や社員の人柄など、会社の魅力的な部分があるはずなのに、それが、言語化して発信できていないため、会社の魅力をお伝えしきれず、採用において機会損失になっているのではないかと。

今回、この「採用広報」を記事にしようと思った背景には、このように、自分自身が採用の現場で直面した課題をなんとかしたいという思いもあるからです。

採用広報を効果的に使えば、自社の仕事内容や価値観、存在意義を就活生や求職者に深く知ってもらえて、それに共感する方の応募に繋げることができ、さらに会社のブランディングやイメージアップの効果も期待できるようになります。

そこで、今回は今、採用広報が求められる背景とどの具体的な手法、及び採用広報のメリット・デメリットをご紹介します。

なぜ、採用広報が必要なのか?

今、採用広報が重要視される背景には時代の変化が大きく影響しており、注目されるのは下記のような理由が考えられます。

・売り手市場による採用難
・スマートフォンの普及により情報収集の方法が多様化
・働き方の多様化にともない「働くこと」への価値観が変化

少子高齢化にともなう人手不足から、求職者に有利な売り手市場が続いています。
そのため企業は、自社を選んでもらうためにも就活生や求職者に向けて情報発信をし続ける必要があるのです。

また、「求職者がどのような情報収集をしているか」を調査した結果からも、採用広報が必要とされる理由が見えてきます。

出典:人事のミカタ ソーシャル&スマホ時代の採用広報術

全体の9割が「企業HP」、7割が「採用HP」から情報収集すると回答。4位には「企業のSNSやブログ」がランクイン。
スマホの普及により、企業のホームページや採用ページ、SNSに気軽にアクセスできるようになったのも採用広報が必要とされる一因だと考えられます。

また、働き方の多様化が進む中で、人々の「働くこと」への価値観も変化しています。
終身雇用が当たり前だった時代は、「一つの企業で働き、そこで出世を目指す」というのが一般的な働き方でした。
しかし今は、フリーランスや副業など、一つの会社に依存しない働き方が増えてきています。帰属意識よりも「自分が何をやりたいか」や「自分のスキルアップ」を重視する傾向が強い今の若い世代にとっては、「企業の目指す方向性と、自分のやりたいこと・価値観がマッチするか」が企業選びのポイント。

企業は、そのような層に対して、「自社のビジョンやミッション」を発信していくことが求められています。

採用広報の種類

では次に、採用広報の種類についてご紹介します。

①採用総合媒体

リクナビやマイナビなどの採用ナビ。ここからエントリーされた母集団をベースに採用活動を進めていきます。就活生の多くが利用しているため、多くの就活生の目に止まる可能性もありますが、同時に多くの企業が活用しているため、内容においては写真や自社の強みなど他社との差別化も重要となります。

②採用イベント

就活情報会社やイベント会社が主催する、数千人以上が集まる規模の合同セミナーや、大学が主催する中規模のセミナー、自社で運営する会社説明会などがこれにあたります。
媒体とは違い、社員の言葉で直接、企業のPRができる点が魅力です。一方で、イベント開催に向けた準備に時間とコストがかかるのがデメリットと言えそうです。

③ホームページ

会社概要や事業内容、サービスなどを掲載する、自社が運営するWEBサイト。
会社のビジョンやミッション、存在意義など、会社のカラーがよく表れ、ホームページを見て応募するかしないか判断する学生もいるほどです。

実際に、上記でご紹介した「求職者がどのような情報収集をしているか」のグラフでも、9割近くの求職者が「企業ホームページで情報収集する」と回答しています。
インターネットが普及している今の時代においては、企業のホームページは企業の「顔」と言えるのではないでしょうか。

④TwitterやInstagramなどのSNS媒体

TwitterやInstagram、FacebookなどのSNS媒体に企業アカウントを開設し、採用に関する情報を発信する方法です。
若い世代にとってSNSは生活の一部。多くの学生に届けるために有効な採用方法の一つです。

また、最近ではWantedlyというビジネスSNSが注目されています。
給与・待遇の記載がNGで、社風や方針、共に働く社員を知り、その活動に興味を持った求職者に応募してもらう “共感採用”を目指した新しい採用ツールです。

⑤ブログなどのオウンドメディア

オウンドメディアとは自社で運営しているメディアのことをいいます。
最近では、ホームページでは伝えきれない、自社のカルチャーや社員の人柄などを、ブログやnoteなどで掲載する企業が増えています。
就活生や求職者にとっては、会社のことをより深く知るきっかけになり、社風に共感する学生の応募に繋がる可能性があります。

「①②は最低限やっている…」という会社は多いと思います。
しかし、スマホからの情報収集が主流になった今、これからの採用広報においては、③~⑤が特に重要になってくるのではないでしょうか。

採用広報を取り入れるメリットとデメリット

続いて、採用広報を取り入れることで、どのようなメリットとデメリットがあるのかを考えていきます。

メリット

●ミスマッチの軽減

ホームページを充実させたり、オウンドメディアによる深い情報発信により、そこで働く社員や会社の価値観、文化、存在意義などの理解が深まります。
それにより、求職者は企業の方針をきちんと理解し、自分の価値観と合うかを判断したうえで応募ができるため、入社後のミスマッチが減ると考えられます。

●応募人数の確保

SNSやWEB媒体を使うことで学生の目に触れる機会が増えるため、応募人数を増やす効果が期待できます。
特に、TwitterやInstagramなどのSNSは、若者を中心に浸透しているため、若い層にアプローチするのに効果的です。

●会社のブランディング効果

ホームページや自社メディアを通じて、会社の制度や取り組み、地域との繋がりなどを発信することで、企業のブランディングやイメージアップの効果が期待でき、さらには、就業している既存社員の愛社心にも繋がると考えられます。

デメリット

●制作にコストと時間がかかる

採用ホームページの作成やブログ開設などには、制作の費用に数十万円〜数百万円ほどかかる場合があります。

また、例えばブログを開設した場合は複数の記事を掲載していくことになります。
原稿を書き、チェックを受け入稿し、公開…という流れ。
記事の掲載まで時間がかかるのと、記事数がある程度揃うのに時間がかかります。
記事のクオリティが低かったり、記事数が少ない場合は、逆に企業のイメージダウンに繋がる恐れがあります。

●結果が出るまでに時間がかかる

採用広報の取り組みにおいて、効果や結果が出るまでには数年かかる場合が多いです。
毎年、採用サイクルを回しながら効果検証し、ホームページやメディアの内容やSNSの頻度など、精度を高めていく必要があります。

最後に

今回は、採用広報が必要とされる背景と種類、メリットなどを中心にご紹介しました。

採用広報を効果的に使えば、自社の仕事内容や価値観、存在意義を求職者に深く知ってもらえて、さらには会社の制度や取り組み、地域との繋がりなどを発信することによって、会社のブランディング・イメージアップの効果も期待できます。

「自社のカルチャーに共感してくれる人材の応募を増やしたい」「採用後のミスマッチが課題」と感じている人事の方は、この機会に採用広報を検討してみてはいかがでしょうか?

Chihiro

人材会社にて6年間、【人材コーディネーター】として勤務。求職者と仕事のマッチングだけでなく、もっと一人一人に合ったキャリアサポートをしたいと考え、【国家資格...

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