人事・労務を支援するサイト人事のジンジ

  • HOME
  • コラム
  • お仕事AtoZ
  • 社員が“入社3年目の壁”に直面した時、人事ができることは?ポイントは「キャリア目標の再設定」

社員が“入社3年目の壁”に直面した時、人事ができることは?ポイントは「キャリア目標の再設定」

お仕事AtoZ

人事のみなさんは、”入社3年目の壁”という言葉を耳にしたことがあると思います。

3年目は、仕事にも慣れ自分や会社のことが客観的に見えてきてます。
同い年の子の転職した話やイキイキ働いている話なんかを聞いて「自分はこのままでいいのだろうか?」と考えることが多くなる時期です。
実は筆者自身も、3年目の壁にぶつかった経験があります。その際、転職活動もしましたが、結局は転職せずに会社に留まる道を選びました。

新卒から育てた若手社員の退職は、会社にとっても大きな痛手です。
今回は、私が当時転職したいと思った背景や、結果的に残留した理由などから、入社3年目の社員が壁に直面した時に人事はどのようサポートができるのか、考えていきたいと思います。

入社3年目の課題は「モチベーションの低下」

仕事には、3年や10年など、経験年数によって直面する壁があると言われています。
一番最初にぶつかるのが3年目の壁です。
3年目の社員は、どのような課題を抱えているのでしょうか?

東京未来大学の社会人3年目を対象とした「仕事のモチベーション」に関する調査を見てみましょう。
このグラフは、社会人1年目、2年目、3年目時の仕事のモチベーション度合を「0点から10点」の幅で表しもらったものです。

入社1年目から3年目にかけて、仕事に対するモチベーションが直線的に低下していることがわかります。

入社3年目にかけてモチベーションが下がる理由

1年目から3年目にかけて、年々モチベーションが下がっていくのにはどのような理由が考えられるのでしょうか?
東京未来大学の調査結果から、モチベーションが下がる理由の上位をご紹介します。

第1位:仕事にやりがいを感じない
第2位:給与が仕事内容に見合っていない
第3位:仕事への慣れから飽きが生じた
その他:人間関係がうまくいっていない、同期が転職し始めた など

(参考:東京未来大学「社会人3年目対象のモチベーション調査」

この他にも、3年目というのは新人ではないため、上司から面倒を見てもらえず突き放されたような感覚になったり、自分の仕事が一人前じゃないから、そもそもやりたかった仕事に着くまでの道のりの長さに落胆したり…というケースも考えられます。

筆者の3年目の壁、転職活動の末に現職に留まった理由

筆者自身、3年目の壁を感じたことがあると冒頭で書きましたが、私が当時転職したいと思った背景や、結果的に残留した理由などをご紹介したいと思います。

筆者が転職を考えた背景

3年目の当時、私が抱えていた感情は下記のようなものでした。

・同期が「海外に留学したい」と夢を追って退職したことで、「自分はこのままでいいのか」と焦る気持ちが生まれた
・仕事に慣れ一通り業務ができるようになったことで「成長している実感」が持てなくなった
・なんとなく「仕事がつまらない」「何のために働くのかわからない」と感じるようになった

入社3年目はこのような気持ちから仕事へのモチベーションが下がり、転職サイトを眺める毎日を送っていました。

この頃は、ゴールの無いマラソンをひたすら走っているのような「終わりの見えない感覚」を感じていました。どこを目指して、何のために、いつまで走ればいいのかわからない状態。今振り返ってみると、仕事をする目的や目標がわかっていない「キャリアの迷子」だったのだと思います。

現職にとどまった理由

実際に転職活動もしました。
転職エージェントに登録に行き、10社ほど仕事紹介を受け、面接まで行った企業もありましたが、結局は現職に留まる道を選びました。

その理由は、私にやりたいことがなく転職先を決められなかったから。
現職への不満と漠然とした焦りから転職活動を始めた私は、「やりたいこと・仕事を通して叶えたいこと」がわからない状態でした。
ただ今の状態が嫌で、環境さえ変えればこのモヤモヤは解決すると思い込んでいましたが、実際は転職活動をしても私の課題は解決しませんでした。

転職活動を経験して気づいたこと

私はこの経験から、まずは自己分析が必要だということに気がつきました。「自分が何をやりたいのか、仕事を通して何を叶えたいか」自分についてもっとよく知ることが必要なのだと。
この出来事をきっかけに、「現職を続けながらやりたいことを探そう」と、気持ちを切り替え、納得して現職に留まる決断ができました。

また、転職活動から見えてきたこととして、自分の市場価値を知れたこと、今いる環境を客観視できたことがよかったです。
自分の会社の良いところなど、他社を知ったからこそ感じられることもありました。

3年目社員へのサポート、何をどのように進める?

ここまで、筆者自身の”3年目の壁”を振り返りましたが、そこから学んだことも踏まえて、3年目の社員に人事はどのようなサポートができるのかを検討していきます。

必要なのは「キャリア目標の再設定」

入社時、ほとんどの新社会人は少なからず、仕事において何らかの目的や目標を持って入社した方が多いはず。私自身もそうでした。
「この会社でこんな商品を作りたい」「一流の営業マンになりたい」など、働く目的や目標がそれぞれあったと思います。
それが、日々の業務に追われる中で働く目的や目標が薄れ見失い、3年後には「あれ?私このままでいいのかな?」という状態に。

始めに決めた目標が変わってしまったり、見失うことは、珍しいことではありません。
ただ、その時に重要なのが、「目標を再設定すること」だと思います。

人事ができることは、3年目社員に対して「自分はどんな仕事・働き方をしたいのか、どうありたいか、10年後どうなっていたいか」などといったキャリアの目標を改めて考えてもらい、それをサポートすることなのではないでしょうか。

キャリア目標の立て方の一例をご紹介します。

どのような場面で実施するのか、具体的なサポート方法は?

では次に、上記でご紹介した内容を具体的にどのような場面で行っていくのか、例をいくつかご紹介します。

・上司との1on1

例えば、上司が若手社員に対して、若手主体でキャリアについて話してもらう機会を定期的に行えるよう仕組み化
上司が部下の目標設定をサポートできるように、事前に面談の仕方についてレクチャーするとよりスムーズな面談が行えるでしょう。

・キャリアコンサルティング

外部のキャリアコンサルタントに依頼して、3年目社員が悩みを相談しやすい環境、自己分析や目標設定までサポートできる環境をつくる方法もあります。
人事の中でキャリアコンサルタント資格を持つ方がいれば、その方がカウンセリングを行うのもいいかもしれません。

・キャリア研修 

入社3年目のタイミングでキャリア研修を実施。
研修を通して、自己分析・目標設定できるプログラムを企画する方法もあります。

”3年目の壁”は決して悪いことではない

今回は、3年目の壁について、その原因と人事ができるサポートについて検討してきました。

会社にとっても従業員にとっても、この”壁”は、決して悪いことではありません。
3年目の壁は、若手社員が自分のキャリアを考えるきっかけであり、もう一段階飛躍するための成長の機会だとも捉えられることができると思います。

彼らが今、何を思い何を目標に仕事をしているのか、話す機会を作ってみるのもいいかもしれません。
そして、3年目の社員を対象にしたキャリア研修や面談など、取り入れやすいものから検討してみるのはいかがでしょうか?

Chihiro

人材会社にて6年間、【人材コーディネーター】として勤務。求職者と仕事のマッチングだけでなく、もっと一人一人に合ったキャリアサポートをしたいと考え、【国家資格...

プロフィール

関連記事一覧