子育てママが働きやすい職場づくりのために人事ができること
皆さんの職場に、子育て中の社員はどのくらいいますか?
職場によってママ社員の割合に違いはあると思いますが、「ママ社員と、その周りの社員が気持ちよく働ける職場づくり」は人事の課題の一つですよね。
今回は、「子育てママが働きやすい職場づくり」のために人事ができることを考えていきましょう。
働くママの悩みトップ5
職場づくりの前に、まずは働くママがどのようなことに悩んでいるのかを見ていきます。
「自分らしくHappyに働きたい女性をサポートするためのメディア RUN-WAY」によると、働くママの悩みは下記のようなランキングになったそうです。
第1位.子どもが急病でたびたび休まなくてはいけない
第2位.帰宅してからの家事
第3位.時短勤務なのに定時で帰れない
第4位.自分のための時間がない
第5位.小学校の行事は平日が多い
1位の急病というのは、私も1歳半の子どもがいるのでよくわかります。
子どもが急に熱を出すと、ママのほうも会社を突発的に休まなくてはならなかったり、保育園からお迎えの連絡が入り、急な早退となってしまう場合があります。
周りのメンバーに迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちになったり、欠勤連絡をするのが心苦しかったり。
また、2~4位にあるような「時間がない、忙しい」というのも共通した悩みのようです。
朝、保育園に子どもを送って出社して、6~8時間勤務した後で保育園にお迎えに行き、夕飯の買い出しと夕飯づくり、子どもに食べさせてお風呂に入れてその他の家事をして、子どもを寝かしつけて、やっと自分の時間が取れます。その時にはもうクタクタですよね。
とにかく時間が無いのに、さらにそこに仕事が終わらず残業が入ってきてしまったら、ママはパンク寸前です。
人事ができる子育て支援の取り組み
ここまで、働くママの悩みを見てきましたが、「とにかく働くママは大忙し!」という印象を受けますよね。
忙しいママのサポートは、もちろん夫の協力や地域コミュニティのサポートなども大事なことではあると思いますが、今回は企業の人事ができるサポートを考えていきたいと思います。
働くママのために人事ができるサポートは、どのようなものがあるのでしょうか?
柔軟な働き方ができる仕組みづくり
先ほども書きましたが、働くママは大忙し。
子どもの体調や年齢に合わせた柔軟な働き方ができることが、ママの働きやすさに繋がると思います。
例えば、時短勤務やフレックスタイム制、在宅勤務の導入など。
それぞれの特徴と、働くママにとってのメリットとデメリットを表にまとめました。
「時短勤務・フレックスタイム制・在宅勤務」それぞれのメリットデメリットをまとめましたがいかがでしょうか?
働くママ目線で思うのが、忙しいママにとっては「時間を効率的に使いたい!」「仕事・家事・育児それぞれのタスクを、テトリスのように限られた時間内にはめ込みたい!」というのがママの本音なのではないかと思います。
そう考えると、在宅勤務がママにとって一番効率の良い働き方のように感じます。
もちろん、職種によっては導入が難しい場合もありますが、この機会に検討していただくのも良いかもしれません。
ママ社員同士で情報共有・収集できるコミュニティづくり
こちらは、実際に社内に「ママ社員のコミュニティ」をつくったというベンチャー企業がありましたので、参考にさせていただきました。
コミュニティの目的は、「働くママならではの悩みをシェアすることで、 一人で抱えずに、新しい意見に触れ視野が広がること」。
育休中のママも含めて子育てママが定期的にオンラインで子育ての悩みや働き方の工夫など、両立のコツについて情報交換しているそうです。
社内に複数いるママ社員は、言わば同士みたいなもの。悩みや情報をシェアできる場というのは、ママの心のよりどころになるのではないでしょうか。
復職のタイミングで人事と上司との三者面談を実施
育休から復職するママ社員と面談を行うのも重要なことです。
復職面談の目的は、企業がママ社員に対して「適切な配慮」をするためだと思います。
例えば、「配慮が不足」してしまうとママは忙しすぎて体調を崩したり精神的にまいってしまう可能性があります。
逆に、「過剰な配慮」をしてしまうと、「簡単な業務しか任せてもらえない、自分は必要とされていないのではないか」と感じさせてしまい、モチベーションを下げてしまう場合があります。
ママによっては、子どもは延長保育で預けるからフルタイムでバリバリ働きたい!という方もいますよね。
それを防ぐためには、面談の場でママ社員の勤務条件の確認や仕事に対しての意欲などを丁寧にヒアリングすることが重要です。
また、ママ社員を取り巻くサポート体制(夫の協力やその他家族、地域のサポートなど)も確認しましょう。
例えば、夫の勤務時間が不規則かつ残業が多めなので平日はママの負担が重そうなど、家庭によっても状況は様々です。
「適切な配慮」をする上で、もう一つ大事なポイントがあります。
それは、「ママ社員の勤務条件やフォロー方法」をきちんと周りの社員へ周知することです。
もしそこで、不公平感を感じ納得のいかない社員が出てきた場合、個別に面談などをしてその社員の不満を吸い上げお互い納得できるように調整することも必要です。
子育て支援の仕組みを取り入れるメリット
子育て支援をすることは、企業にとってもメリットがたくさんあります。
例えば、下記のようなものがあります。
企業イメージ向上
子育て支援をすることは、「ママ社員に優しい会社」「働きやすい職場」という良い印象を持たれやすいです。
「くるみん」というロゴマークをご存知でしょうか?
これは、仕事と育児の両立支援に取り組んでいる企業に認定されると使用を認められるロゴマークなのですが、今、就活生や求職者へのアピールのために、認定を目指す企業が増えいます。
実際に、「働くママ社員がどのくらいいるのか」を基準に、働きやすい職場かどうかを判断する就活生も一定数いるようです。
ママ社員の就業満足度向上
子育て支援が充実すると、嬉しいのはやっぱりママ社員です。
今まで子どものために諦めていた仕事が、柔軟な働き方のお陰で諦めずにチャレンジできたり、逆に仕事のために諦めていた子どもの行事に参加でき、大きくなった我が子の成長を実感できたり。
そのようなことが、ママのモチベーションUPとなり、就業満足の向上に繋がります。
せっかく育てた人材が出産を機に離職してしまうのは、企業にとってもマイナスだと思います。
社員がライフイベントを迎えても働き続けられるようなサポートができると、企業にとってもママ社員にとってもメリットが大きいのではないでしょうか。
「働きやすい職場」のイメージから他社員の就業満足度も向上
子育て支援の充実は、ママの満足だけでなく、その周りの社員の満足にも繋がります。
例えば、20代のライブイベント前の社員にとっては、「自分がママになっても会社が協力してくれる」という安心感と信頼に繋がります。
また、子どもを持たない社員や男性社員にとっても、支援を充実させその背景を社内に周知していくことは、ワーキングマザーを理解し歩み寄るきっかけになるのではないでしょうか。
もしかすると、ママ社員の仕事を周りの社員で振り分けたりと、負担となってしまう場面も出てくるかもしれません。
ママ社員は、その点を理解し感謝の気持ちを持って、お互いに協力し合えることができれば、そのチームワークが大きな企業価値になると思います。
最後に
今回は、「子育てママが働きやすい職場づくりのために人事ができること」をテーマに考えてきましたが、いかがでしたでしょうか?
まずは、「働くママが今どう感じているのか?働きやすいのか働きにくいのか?」をヒアリングして「現状を理解する」ことが大事だと思います。
そして、子育て支援の仕組みについて、取り入れやすいものから社内で検討ししてみるのもいいかもしれません。
人材会社にて6年間、【人材コーディネーター】として勤務。求職者と仕事のマッチングだけでなく、もっと一人一人に合ったキャリアサポートをしたいと考え、【国家資格キャリアコンサルタント】を取得。育休中にオンラインキャリアサポートの副業に挑戦し、パラレルキャリアを実践中。