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オンライン時代の社内コミュニケーション術 – 従業員がいきいき働く環境づくりに必要なこと –

お仕事AtoZ

2020年4月に発令された新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言。
それに伴い、私たちの働き方は大きく変化しました。
各企業でテレワークの導入や出社制限などの制度改革が続く中、オンライン時代の組織づくりに戸惑いを感じる人事の方も多いのではないでしょうか?

オンライン時代の「ストレスのないコミュニケーション方法」を認識「従業員がいきいき働く環境づくり」を常にアップデートすることが求められる今、コミュニケーション手段の変化が生む弊害とその対策を紹介します。

コミュニケーション手段の変化と新たな課題

テレワークにより増加したオンライン会議やテキストでのやり取り。
コミュニケーション手段の変化によって生まれた新たな組織課題について考えてみました。

「非対面コミュニケーション」で感じる不安

これまでは、顔や声の表情で要望を察したりニュアンスをくみ取ることができていたものの、メールやチャットなどの「テキストでの会話」が増え、「表情が分からず不安を感じる…」という声が増えています。
また、コロナ禍を機にビジネスチャットを導入した組織ではこんな新たなお悩みも。

「今まで文章を利用するのは形式的なメールを送る時だけだったので、どんなテンションでチャットを送ればいいのかわからない」という声。
特に、SNS世代の若手社員がビジネスチャットを使いこなす一方で、メール世代の管理職が「チャットの使い方」に悩むこともあるようです。

オンライン会議での気疲れ

テレワークが開始された当初、オンライン会議やオンライン飲みは目新しく、こぞって「トレンド」に乗る様子が見受けられました。
しかし、今では「オンライン会議は意外と疲れる」と感じる人も増えているのではないでしょうか。

その場に居合わせないことで雰囲気を掴めないという精神的疲労や、長時間画面を見続けることによる肉体的疲労が発生。
一回の会議ではなんてことはなくても、会議が連続することで、知らず知らずのうちに疲労が溜まっていた…ということも少なくありません。
会議疲れで業務効率も下がり組織にも一定のダメージが生じます。

オフィスでの雑談が減少、仕事の悩みを吐き出せない社員も

ちょっとした雑談の減少が従業員の精神状態を追い込むことも。
特に新卒社員や異動したばかりの中途社員は、組織の雰囲気になじみめなかったり、質問をしたくても「誰に聞けばよいのか」という不安を抱えがちです。

また、一人暮らしで在宅勤務をしてる社員の中には、「会話量が減るため、以前よりも孤独感を感じるようになった」という声も。
仕事の悩みを抱え込むことで、うつ病や休職にもつながりかねません。

オフラインだからこそ評価されていたことが評価の対象外に

従来の評価システムで救済され、評価の対象になっていた「組織への貢献度、数値には表せない仕事、スムーズな人間関係作りへの寄与」。
オンラインコミュニケーションの発達により、オフラインで評価されていたことが数値化・言語化しにくく、評価されなくなる可能性もあります。
これまで、対面のコミュニケーションで発揮していたことが評価の対象外になると、組織貢献を実感できない社員も出てくるのではないでしょうか。

自分の業務にのみ集中、「タスク型」の業務スタイルへ

対面でのコミュニケーションが減少することで、自分の業務だけに集中し業務が「タスク型」になる恐れがあります。
それによって、自分が会社に所属する意味や働き方の考え直しが起こり、辞めたいと思う社員も出てくる可能性もあります。

社内コミュニケーションが重要な理由とは?

社内でのコミュニケーションはオンライン・オフライン問わず組織の活性化にとって重要な要素。
社内コミュニケーションによって、具体的に組織にどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

業務生産性の向上

一つ目は、業務生産性の向上です。
一社員が成果をだしていても、それが組織に展開されなければ、組織全体の能力アップにはつながりません。

また情報共有も業務分担の上で重要です。
本来、複数人でやる業務をコミュニケーションが行き届かないことで一人の社員が背負い負荷が偏ることも。
小まめな進捗共有は、業務効率アップには欠かせません。

従業員満足度の向上

社内コミュニケーションの活性化により、従業員満足度も向上します。
例えば、上司と部下のコミュニケーションが不足することで、「組織から求められている実感」を持てず、気付いたら部下が離職しているのはよくあるケース。
上司から定期的にフィードバックをすることで、部下のモチベーションアップにつながります。

また、経営層から現場へのコミュニケーション不足により、現場社員が「何のために頑張っているのか」と目的意識を見失うケースも見受けられます。
ヨコ・タテ・ナナメと立場・所属関係なく意見を発しやすい雰囲気づくりによって、組織のビジョンを現場社員も認識。組織の一体感醸成にもつながります。

顧客満足度の向上

社内コミュニケーションの活性化は、結果的に顧客満足度向上にもつながります。
顧客サービスに関わる情報を社員が認識していなかったことで、顧客からのクレームをいただいたということはありませんか?

仮に、顧客と直接的な接点がなかったとしても、「風通しの悪い空気感」は顧客に伝わってしまうもの。
サービス品質を高める情報を共有することで企業利益アップや顧客満足度向上に直結します。

オンライン時代のコミュニケーション方法と人事ができること

これからもしばらくは続くと予測されるテレワーク。
オンライン時代のコミュニケーション方法は、いずれは「当たり前の手段」になるかもしれません。
新たな時代に求められるコミュニケーション方法を知り、組織づくりに活かせることを紹介します。

「雑談時間」や「仮想オフィス」の設定

雑談が減ってしまったからこそ、あえて意識的に「雑談時間」を設けることをおすすめします。
10分~15分の短時間であっても雑談で緊張をほぐすことで心の開放にもつながります。

オンライン上で「仮想オフィス」を作り、”入室すると誰かしらがいる状態を作る”取り組みを導入する組織も増えているようです。
テレワークで一人の時間が続く社員にとっては、孤独感を解消するツールになりそうですよね。

テレビ会議システムやビジネスチャットの導入を促進

テレビ会議システムやビジネスチャットの導入はすでに完了していますか?
テレワークが普及する中で、多くの企業がテレビ会議システムやビジネスチャットの導入を促進しています。

「未だにメールや電話をメインで利用している」という企業の皆さん、試しに導入を体験してみませんか?
テレビ会議システムやビジネスチャットの導入は、多少コストがかかるものの、結果的に社員の士気や業務の生産性向上につながれば評価にもつながります

ビジネスチャットの使い方をレクチャー

顧客向けの対応では難しいものの、社内メールやビジネスチャットでは「口語」と近しい文体を使うこともおすすめです。
「形式ばった文章が送られてきたけど、どんなテンションなのか分からない…」という声もあるため、状況に応じて文末に「!」や「~」を活用、絵文字等で感情表現することも大切です。
些細なことですが、誰かの発信に対して、スタンプや「イイネ」マークをつけることで反応を示すことも社内コミュニケーションの活性化につながります。

チャットの使い方を厳しく指定してしまうと自由度が損なわれるものの、突然のチャット導入でコミュニケーション方法に悩んでいる社員のために、使い方レクチャーや社内講座を開催してみるのも面白いかもしれません。

従業員アンケートの実施

これまでも定期的に従業員アンケートを実施してきた、という企業も、改めてテレワークで生じる課題を認識し「どんなことを感じているか?」リサーチしてみるのも良いかもしれません。
例えば、匿名で下記のようなアンケートを実施してみるとリアルな声が見えるでしょう。

・テレワークで上司・同僚とコミュニケーションをとれているか?
・今後もテレワークを続けたいと思うか?
・テレワークについて、意見・アイデアを教えてください
・テレワーク中にどんな支障がありましたか?

などなど。
アンケートを元に新たなアイデアや施策を考えてみることをおすすめします。

新たな評価システムの再構築

出社時では確認できていた勤務態度や仕事に対する姿勢など、言語化できない部分への評価は難しいため、新たな評価システムの再構築は急務となります。
目に見えやすい評価だけで判断するのではなく、月に数回オンライン会議を利用して成果をだすまでの「プロセス」を評価する機会を設けたり、レスポンスのスピードなどを評価基準とするのも良いかもしれませんね。

最後に

オンライン時代のコミュニケーションでは、対面のコミュニケーションとは異なる「伝え方」スキルが求めらています。
しかし、あくまでも手段が変わっただけで「相手の発信に対しレスポンスすること」や「発信したいことを恐れずに伝えること」という、”コミュニケーションにおける本質”は変わらないのではないかと思います。

本日紹介したコミュニケーション方法の中で、まだ取り組めていないことがあったら、ぜひ社内に向けて提案してみてください。
様々な部署から「組織の不」を寄せられがちな人事部門ですが、「新たな取り組み」や「発信」によって嬉しい声も届くかもしれませんね。

Mayo

新卒で介護系事業会社で広告の営業活動を経験した後、大手人材紹介会社に転職。キャリアアドバイザーとして20代~30代を対象とした転職支援に従事。副業でWEBラ...

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