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パラレルキャリアのすすめ

キャリア

皆さんはパラレルキャリアという言葉を聞いたことはありますか?
パラレルキャリアとは、P・Fドラッカーが『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)で紹介していて、「本業を持ちながら、第二のキャリアを築くこと」と定義されています。

よく副業と混合してしまう方もいるかと思いますが、
副業は金銭的な報酬を得る事を目的としているのに対し、パラレルキャリアは自分のスキルアップや夢の現実、社会貢献活動などのために活動します。

なぜ今パラレルキャリアが注目されているのか、紹介していきます。

パラレルキャリアが注目される理由

まずは、パラレルキャリアが注目されている理由を考えていきます。

  • 終身雇用の崩壊(主体的なキャリア形成が必要になる)
  • 脱年功序列制度(成果主義へ移行している)
  • 人生100年時代(生活のために働くではなく、充実して豊に生きる)

上記のような価値観の変化から、社会から求められる人物像も変化しています。
今までは年齢や在籍年数に伴って昇級・昇格をしていましたが、生産性向上のため、最近では個人の成果が求められるようになっています。

今後は受け身で仕事をするのではなく、主体的に自分のキャリアを考え、働いていく必要があります。

パラレルキャリアが注目されている一番のポイントは、定年がさらに伸びると予測されている点です。
生活のために働くのでなく、充実感を得ながら働く必要があり、
自分が大切にしたい価値観と合う働き方を選択していく事がより大切になりそうです。

上記のような社会の価値観の変化から、パラレルキャリアとして本業の他に、複数の仕事をする方が増加しています。

パラレルキャリアのメリット

それでは、パラレルキャリアのメリットを考えてみましょう。

スキルアップ(企業や副業の下準備)

本業で培った経験を活かし、アウトプットする機会を自ら探し、繰り返していく事で多くの学びがありそうですね。
新鮮な気づきは、本業のモチベーション向上にもいい影響がありそうです。

いつでも夢へ挑戦できる(本業がありながらのスモールスタート)

「大学では美術・音楽を勉強したが、事務職に就職した」という人は、パラレルキャリアで子供に絵や工作・音楽をボランティアとして教える事で、経験を積む事ができます。
ゆくゆくは学生時代に夢見た仕事を目指せるかもしれません。

視野が広がる(本業では得られない経験)

普段と違う考えに触れることで物の見方や考え方の幅が広がる事につながります。
これらの影響が本業のモチベーション維持や向上になるかもしれません。

仲間に出会える、人脈が広がる

新しい活動を始めると、新しい出会いが生まれます。
新しい出会いが本業にいい影響を及ぼし、本業がより良い方向に向くかもしれません。
また、その出会いが本業につながらなくとも、自分の人生を豊かにしてくれます

仕事となると責任が伴いますが、パラレルキャリア(ボランティア)であれば「楽しそうだから」「友達に誘われたから」という軽い気持ちからスタートする事ができます。
まずは簡単に始められそうなものから試してみるのも良いかもしれません。

パラレルキャリアの始め方

『enミドルの転職第121アンケート集計結果「パラレルキャリアについて」』では、「パラレルキャリアの考え方に共感できる」と答えた方は9割以上いるのに、「実際に活動している人」はわずか3割でした。
明確に何がしたいか決まっていない、どう始めていいかわからない、という理由が多いようです。

パラレルキャリアに興味があるけど、自分の好きな事が見つからない人は、まずプライベートでも仕事上でも、「好きなこと」「得意なこと」を書き出してみましょう

私は、現在はIT企業に勤務していますが、昔から本や雑誌が好きで、ライターの仕事に憧れていました。
過去の化粧品会社勤務での経験から「より多くの人に美容の素晴らしさを伝えたい」と考えるようになり、働きながらライティングを学び、現在はwebライター(最初のステップはコスメの記事でした)としても仕事をしています。
コロナウイルスの影響で本業の仕事が一時休業となり、給与が減る事がありましたが、ライティングでの収入があったので、不安な気持ちにならずに生活する事ができ、パラレルキャリアに一歩踏み出していてよかった!と思った瞬間でした。

また、大学から現代美術を勉強している友人は、編集者として就職した後も作品を作り続けており、個展の開催や、クライアントに合うものを創作するなどして、編集者とクリエイターの2軸で活躍しています。

昔から続けている事や、好きな事を小さなステップから始めてみるだけで、充実した働き方を実現できるかもしれません。

まとめ

最近ではコロナの影響でリモートワークとなり、時間が増えた人も多いかと思います。

派遣社員や業務委託という形で、本業にしていた仕事のスキルをキープしつつ、軽い気持ちで始めたボランティアに夢中になり、副業で会社員時代以上に稼げるようになった人もいるようです。

最初に述べたように、パラレルキャリアの目的は必ずしも収入ではなく、自身のスキルアップや経験・可能性を広げることです。
ただ、収入が増えると自己投資に回す資金が増え、自分に余裕もできて良いことづくしですよね。
収入源が複数になると、もし万が一、一つの収入源を失っても、収入が0になるわけではないので、精神面で安定します。

価値観が多様な今、何をもって、主とするのか、
そして、どこを幸せの基準とするのかは人それぞれですよね。

あなたは何を大切に生きていきたいですか?
まずは最初のステップとして、あなたらしいパラレルワークを見つけていくことからはじめてみませんか?

Narumi

大手化粧品会社にて4年半、大手人材会社にて2年勤務後、現在は外資ITにて、業務改善ツールを担当。 webライターとしても活動中。

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